Vol.253(2023年10月号)
にごり茶(第53回)稲田 昌二郎
秋らしくすごしやすい季節となりました。ふるさとの山口県と比べて、暖かく短い秋で、紅葉もしないうちに冬になってしまうような感じがしています。調べると高知県の秋は山口県より気温が3〜4℃高いようです。暖かい秋ですが、今年はインフルも流行っております。感染予防をして、しっかり食べて、良く運動をして、休めるときはゆっくり休んで、体調をくずされないようお気をつけください。
さて、来る11月14日は世界糖尿病デーです。なんだそりゃ!?、と思われるかもしれません。インスリンを発見したフレデリック・バンティング先生(ノーベル医学生理学賞)の誕生日に、世界各地で糖尿病のことを知っていただくためのイベントが開催されます。そのひとつがブルーライトアップです。世界中のお城やビル、タワーなどの建物が青くライトアップされます。近くでは、大洲城がライトアップされます。そして大野内科も便乗しますっ!
糖尿病の治療といえばインスリンを思い浮かべる方が多いかと思います。インスリンは膵臓からでる血糖値を下げる物質です。インスリン治療が開始されたのは1920年代で、ウシやブタの膵臓から抽出したインスリンでした。戦時中の日本では、魚や鯨の膵臓からインスリンを抽出していた時期もあります。(下の図をご覧下さい。)1980年代にやっと、ヒトのインスリンが合成できるようになりました。1990年台からはより速く効くインスリンやより長く効くインスリン(インスリンアナログ)がたくさん登場して、血糖値のコントロールがしやすくなりました。血糖値を下げる飲み薬は、1950年代から登場していますが、低血糖など副作用の心配があり、使い勝手の良い薬ではありませんでした。しばらく停滞していましたが、2010年以降に飛躍的に種類がふえ、低血糖をおこさない薬での治療が中心となっています。さらに、体重を減らしたり腎臓の合併症や心不全を予防するといったおまけのついたくすりも治療の中心になってきています。十把一絡げに食事を制限するのではなく、「人並みに食べて頂き、お薬で助ける」治療に変わってきました。安全で楽に糖尿病の治療ができる時代になったのは先人の努力の賜、と感謝はつきません。大野内科では患者さんに最新で最良の治療を提案できるようつとめています。小さな診療所ですが、糖尿病の治療では幡多をリードしていく大きい存在になりたいと思っています。
先述のとおり、11月14日の夜には、大野内科も青く染まります。いつもと違う姿を眺めて頂ければと思います。幡多の糖尿病患者さんの人生をより良くしたいと思う、内に秘めた青い炎を示しています。なんて、糖尿病のことなので、ついつい今回は熱くなったことでした笑
※ちなみに、本誌の発行される10月15日はキノコの日だそうです。食物繊維が豊富ですので鍋物などでたくさんいただきたいですね。
今月の一句小笠原 望
誉められてはにかむ百歳は食べる
靄一面いい一日になりますよ
ニッポンを動かす電池きれそうで
秋を一輪寝たきりの枕元
トンボ公園にて、ショウジョウトンボ
お知らせ
その1 発熱・咳・のど・鼻水など、風邪の症状のある方は、来院前にお電話を!
お電話で症状などをお聞きして、診察の時間・場所などを調整しております。
5類感染症となっても、今までどおり発熱・風邪症状の患者さんはまずは院外での診察です。皆さんに待合室で安心して過ごして頂くため、ご協力よろしくお願いいたします。
その2 新型コロナウイルスワクチンの接種は終了しました
当院での新型コロナウイルスワクチンの接種は終了しました。
接種希望の方は、新型コロナワクチン予約サイト(四万十市)
https://vaccines.sciseed.jp/shimanto/login
又は、コールセンター(0880-34-8535)で予約をおねがいいたします。
その3 肺炎球菌ワクチンの接種について
予約制です。ご希望の方は受付にお申し出いただくか、お電話を。
その4 特定健診について
予約制です。日時詳細や予約については受付にてお問い合わせ下さい。
その5 インフルエンザワクチンについて
10月からインフルエンザワクチンの接種を行っております。受付にてお問い合わせください。
その6 9月から、小笠原先生の外来は午前中のみとなっております
9月から、月曜日から下の表のように、月~土曜日の午前中のみとなっております。
ただし、月曜日は予約のみとなっておりますので、ご注意ください。
2023年11月15日ごろ 第254号発行予定