内科・糖尿病内科

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大野内科の広報誌 《 毎月15日発行 》

Vol.208(2020年1月号)

おにぎり一個小笠原 望

 ぼくは外来診療が大好きだ。学生実習に土佐市民病院に行ったときに、「何がしたいですか」と聞かれて、「外来診療を見たいです」と答えた。医療現場を知らない学生が外来診療を見てもと、やんわりと断られた。そして、与えられた実習場所は半日が検査室。半日が病棟回診の見学だった。
 学生時代に想像したように、現場にでてからの外来診療は面白い。高松赤十字病院では週に三回、午前八時から午後六時まで、昼休み無しに診察を続けていた。昼は妻の作ってくれたおにぎりを、着替えに時間のかかる患者さんの時に、一個口に入れる。次の一個は三時頃に口にする。いつも二個のおにぎりで外来診療を続けてきた。
 そのあいだに、診察のスピードが落ちてくると、看護師さんからブランデーたっぷりの紅茶が頼まないのに届けられる。「もうちょっと急いでください」のサイン。酒の好きなぼくを知り抜いた看護師さんの心遣いだった。最大待ち時間が三時間になることもあった。「高松東京往復の飛行機の時間よりは待ち時間を少なく」が目標になっていた。
 中村に来た当時、ぽつりぽつりと患者さんを診るのが苦痛でたまらなかった。診療の合い間に堤防の斜面で、妻と弁当を食べたこともあった。代替わりになり、しだいに元のペースになってきた。おにぎり一個の昼食が戻ってきた。これだけでは低血糖になるから、稲田先生が心配してくれる清涼飲料水をちびりちびり飲む。
 ゾーンに入ると若者は言うが、熱中して頭がフル回転している、点滴室にノートパソコンを持って小走りに移動している時、診療が好きなのだなあとつくづく思う。在宅医療はもちろん大好きなのだが、外来での一発勝負のような凝縮したやりとりもまた大好きだ。
 診療が終わってから、以前は妻を相手に缶チューハイを片手にしばらくしゃべりやめなかった。さすがにこの頃は、診療が終わるとぐったりで静かな酒になることが多い。孫が遊びに来ていると、これはまた別でしばらく大騒ぎを楽しむ。
 習慣とは恐ろしいもの、これを崩さないこともひとつの健康法かもしれない。年齢を感じながらも、おにぎり一個の昼食を食べつつ、元気な毎日の診療を続けている。

にごり茶(第8回)稲田 昌二郎

 新年明けましておめでとうございます。
 今年は暖かいお正月でした。私は、愛南町の妻の実家で、賑やかなお正月をすごしました。朝から晩まで食べ放題飲み放題でしたが、初日の出を見るための片道約3時間の登山のおかげで、体重は1kgしか増えませんでした。
 突然ですが、年頭に当たり、昨年を振り返って、また、今年の決意と希望を、それぞれ漢字一文字に表してみました。2019年は、“蒔”く、です。新しい令和の時代の大野内科の種をまくことができました。2020年は、“萌”える、です。昨年まいた種から芽がでて、大きくなっていく、そんな一年になるのではないかと期待しています。抽象的ですが、そんな思いでいます。
 最後に、2020年がみなさんにとってすばらしい年になりマウスようにお祈り申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

令和二年の元旦に、篠山山頂にて

お知らせ

その1 大野内科健康教室のご案内

 1月25日の第4土曜日午後3時より、「サルコペニアとフレイル 再び」の題で今年最初を予定しています。沢山の方のご参加をお待ちしています。次は2月22日(土)「こころの落ち込みについて 再確認」の題で開催の予定です。

その2 ホームページ更新のお知らせ

 大野内科のホームページが近々新しくなります。ずいぶんスマートなしゃれたものに代わります。一度ご覧になってください。(https://www.ohnonaika.com/)

その3 インフルエンザ・肺炎球菌ワクチンのお知らせ

 インフルエンザワクチンの接種1月中は行っています。原則予約制で、月・火・木・金の午後3時からと午後4時からです。受付にて予約を受けつけています。電話でもかまいません。ただ、接種料金は65歳以上の方の市町村の補助は終了し、一般の方と同じ2,750円(税込み)となっています。
 肺炎球菌ワクチンの接種を行っています。原則予約制です。ご希望の方は受付にお申し出ください。電話でも構いません。

1月13日朝、四万十川下流より赤鉄橋を望む。

2020年2月15日  第209号発行予定